『ペットがあなたを選んだ理由』

著者:塩田妙玄(高野山真言宗僧侶/心理カウンセラー)
ハート出版

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愛する存在との別れは、本当に悲しいことです。

むぎがあちらの世界に旅立って、この1週間。いろんなことを想い、考えていました。

後悔はないんです。
ただ、ただ限りのない悲しみがどうしようもなく横たわっていて、感じ切ったり号泣したり、むぎと過ごした日常をなぞって同じコースを散歩したり思い出してみたり・・・いろんなことをして少しずつ、悲しみから出逢えた喜びや感謝に置き換わるようになってきました。(まだまだ悲しいですけれどね!)

その過程で、たくさんの本を読みました。

お坊さんが書かれている死別に関する本を読んだのですが、どれもそれぞれ深い言葉と優しさや愛を感じ、助けになりました。
『ペットがあなたを選んだ理由』は、キレイすぎる言葉だけでなく、悲しみの沼から視点を上げてくれるような本です。でありながら、「悟りを極めたような素晴らしすぎる感覚」とも違って、無理のない等身大の、哀しみつつもそこから脱していくような、、今の私にぴったりな本でした。

著者の妙玄さんがまだ仏門に入るずっと前から飼っていたわんちゃんの名前が「しゃもん」(沙門:仏教の修行僧の意)、ねこちゃんの名前が「はんにゃ」(般若:仏教用語で実相を達観するための、根本的な知恵 / 恐ろしい顔つきをした鬼女)という、なんとも宿命を予知しているかのような命名や、縁のあった動物たちとの逸話、ご自身のペットロスとそのからの気づき、動物カウンセラーとしての活動を通してみてきた飼い主さんたちの在り方、そして「アニマルコミュニケーター」さんたちとの逸話などなど、飾らない口調でスッと心に入ってきました。

癒しとは寄り添うことだと、常々感じています。
上っ面の言葉や、かけ離れた立ち位置からの言葉ではなくて、真の共感(引き受けてしまうのとは違う)と無条件の愛からもたらされるものだと思っています。それと同じようなことがこの本にも書かれていました。

むぎがわたしたち家族を選んでくれた理由
それは、一言で言うなら、やはり「愛」を教えてくれることだと思います。

むぎは無条件の愛で、わたしたち家族ひとりひとりを結び付けてくれました。バラバラになりかけていた家族を、小さなあどけない身体でやってきて、一瞬で全員を虜にし、つなぎとめてくれたのです。ただそこに居るだけで、ただあの子の愛と喜びと楽しさや怒りや強さを正直に表してくれるだけで、それぞれに必要なことを体験させてくれました。それは、人間のようにアレコレ頭で考えて行っていることではなく、むぎのありのままを瞬間瞬間で生きた、見事としかいいようのない生き方でした。

むぎが私たち家族を選んでくれた理由、教えてくれたことをキャッチした上で、さらにそれを大切な人たち(家族や心友)と実際に共有し体験しあうことが、むぎが残してくれた大きなギフトなのだと感じています。

死してもなお、その愛と気づきを深め続けてくれることに驚きます。

むぎが虹の橋に行ってしまった今、彼に代わって今度は私が家族の中で母として妻として、彼が示してくれたほどの愛と癒しを表現できるのだろうか、と途方に暮れてしまいます。
でも…。「代わり」じゃなくていいんだよなと、ここ数日思っています。
彼は彼なりのかたちで。私は私なりのかたちで、やっていけばいいんだろう。それを無理なく1日1日味わっている最中です。

家族の1日の時の流れを、リビングに居て、ただ迎え、共に食べ、背を送ることをしています。
一見シンプルな変わりない日常のように思える中に、今まで忙しさの中でキャッチしきれていなかったような微細な感覚を感じ取っています。この時間や感覚も、むぎがくれたギフトだと思っています。

むぎの愛を感じていると、いつしか肉体としての結びつきは大きな問題ではなくなってきて、内なる繋がりを実感するようになり、いつもどこでも一緒にいる感覚になってきます。
肉体を超えた愛!時空を超えた愛!なんというスピリチュアル!
ああ、でも私はまさにこれを味わいたくて、生き延びてきたんだろうと感じます。


本のタイトルである「ペットがあなたを選んだ理由」がわかる簡単な質問があります。
もし、あの子に〇〇してくれてありがとう、と感謝の言葉を伝えるとしたら、○○の部分には何が入りますか
この感謝の言葉こそ、ペットと出会った意味である、と妙玄さんはおっしゃっています。
それを教えるために、あなたの元にきてくれたのだ、と。

私の場合だったら、「むぎ、一緒にいてくれてありがとう」です。

「一緒にいる」
もっと言うなら「死してもなお、一緒にいる」というメッセージ。

これは私のインナーチャイルドの奥の奥にある、両親との別れが癒え切れていないことへの
むぎと創造主からのメッセージであり、そしてこれからもずっとずっと一緒にいるよ、という愛なのだと思うと、涙がまた止まりません。今度は悲しみの涙ではなくて、感謝と感動の涙です。

さらに教えてもらっているように感じます。
「この世界は、目に見える物質世界だけじゃないよ。目に見えない世界もあるんだよ。」

シータヒーリング®で言うところの、4層、5層、6層、7層。
そうだよね、「存在の層」だよね、うん知ってるよ
と思っていたら数日前、まさに目に見えない世界をまたいで存在していらっしゃる『時空の越えて生きる』のkan.さんと、近所のスーパーでバッタリお逢いして驚きました。

宇宙はいつも私にわかるように何度でも教えてくれます。
最高最善のご縁と方法とタイミングで。

ほら。今も。
私の膝の上に、むぎの白い毛が1本ついている!!
いつもパソコン仕事をしていると膝に乗りたがり、重さと打ちづらさで数分が限界だったのです。
が、今彼はスーパーむぎ状態!重さや空間的な制限とは無関係で一緒にいることができるんです♪クサクサ汁出さないし(笑)

最後にもう一文。
「愛するものの絆は、死をもって切れることはない。あなたが天寿をまっとうしたときに、必ず再会する」

たくさんの愛と感謝をこめて